#BOSS #TB2W #ToneBender

BOSS ToneBender TB-2W完全開封で基板をジロジロ観察してみたらもう尊敬するしかないかと思った


私のBOSS TB-2W個体でfunk ojisanにレビューして頂いたのですが、それが軽く2.5万ビューを超えてさらに増える勢い!さすが人気チャンネルですね!

そして4/24日 BOSS ToneBender TB-2w 発売!私もゲットできました!そしてfunk ojisanがレビュー動画をアップ!!

ということでTB-2Wが昨日我が家に戻ってきました。

私も基板を確認してみた

晴れて私も、開封(基板をw)

右側からみた図

左側から見た図

で、付いている部品はブティックメーカーのようにボンドで隠されたり、ロゴも削られるなどなく正々堂々と配置されていますね。

ただ、多層基板なので回路図を起こすのはちょっと難しそうです。(予測出来る方もいらっしゃるとは思いますが)

私も色々パーツを調べてみて判明したモノもあるのですが、まぁそれらは皆さんも調べてくださいということで誰でも判るであろうというレベルでお知らせいたします。

ToneBender回路

ピンク色で囲った部分がToneBenderの部分です。

3つの2N404Aゲルマニウムトランジスタと3つの可変抵抗があります。
この3つの抵抗、トランジスタのコレクタ端子とはズレているとこに付けられているモノもありましたので、全てがバイアス調整用では無いかもしれません。

抵抗はチップ抵抗、コンデンサもチップコンデンサとSMC用の電解ということで、BOSS DS-1に続いてTB-2Wも表面実装かよーと言われる方もいらっしゃるかもしれません(^^

ただ、チップ抵抗やチップコンデンサってこれまでのリードタイプのパーツより性能は悪くなっていることは無い筈ですし、寧ろ特性としては高性能化されているとも思います。
音が変わるとすれば、ハンドメイドFuzzに定番の古いコンポジット抵抗の方がクセがある音とも言えると思います。

で、かなり気になったのは、3つの可変抵抗です。

かなりデカイものが付けられています。

単に出荷調整で、ユーザーに触らせ無いようにするにはもっと小型のやつ付けた方が良いかもしれませんが、、、

なので、これって指で調整できそうですよね。
また、裏蓋を開けても配線に余裕があるのでこのトリマーに簡単にアクセスすることができます。

もしかしたら、BOSSはこのトリマーをユーザーがいじっていいよということを示しているのかもしれませんね。

ただ、保証問題もありますので、絶対に自己責任なので、本当は絶対触らない方がいいと思います!

Fuzzのエミッタコンデンサ?

Attackのポット付近に4.7μF 50Vのコンデンサが付けられていました。

これは、おそらく3段目トランジスタ のエミッタのコンデンサで最終的はFuzz回路のゲインを作る大切なコンデンサです。

ここに最新の電解コンデンサが使われいますので、TB-2Wの音のキャラのフレッシュな部分がこのコンデンサが要因の1つになっているかもしれません。

で、もしTB-2wをModするという猛者の方が出て来るとすれば、ここが一番簡単に変更できそうですね。
音質では重要な部分ですし、メイン基板と別になっていますので失敗し難いですし、リスクも低いと思います。
あとは、ヤフオクで15万円近くなったモノをModするという度胸だけかと思いますがw

ちなみに、Fuzzな方のセオリでこのコンデンサを耐圧が高い方が良いというのがありますが、他の電源部では25V耐圧のものが多く使われていますのでわざわざここだけ50Vに意味があるのかもしれません。(初段の5μFカップリングコンデンサも同じかもしれませんが)

で私のトンデモベンダー TB+2笑 もこのコンデンサをメイン基板から離していますので、何か共通点があるようでちょっと嬉しいです。

出力バッファ回路

写真の紫の部分がバッファ回路だと思われます。(間違っていたら申し訳ありません)

こちらもオペアンプではなくちゃんとトランジスタが用いられたディスクリート構成です。

また虹色に輝くコンデンサはもしかしたら、高価な膜高分子積層コンデンサー(PMLCAP)が使われているのかもしれません。これは個人で購入してもお高い部類のコンデンサです。

ということで電気経路も短くなる表面実装によって無垢なバッファとしての性能はかなり向上していると思われます。
事実funk ojisanのレビューでもバッファを入れても音が変わらないという評価ですね。
いわゆるBOSS臭というのは、このバッファでは消されていると思います。

こちらの大部分は電源回路かな?

反対側には電解コンデンサとIC類が目白押しです。

470μFという巨大なコンデンサが2個も使われていますので、ギターペダルとしてはかなり強力な電源が搭載されていると思われます。

また、電圧が可変制御できる超低ノイズ負電リニアレギュレーターICも確認できましたので、これで7V-9V-12Vを制御しているものと思われます。

また、リレー用の低圧電源ももしかしたら作っているかもしれませんので、かなり複雑。

ということで電源にはかなり面積とコストかかってますね。

トゥルーバイパスはリレーで確定

フットスイッチはこれまでと同じようにオルタネイトのプッシュスイッチが使われているようですが、それでトゥルーバイパスを実現出来たのは下のリレーということでした。

使われているのはPanasonicのTX-Sシリーズのリレーで、品番が ATXS20120SA で、型番 TXS2SA-3V-1というモノのようです。

PanasonicのHPにこのリレーの情報が出ています。

ちょっと意外だったのは、リレーのコイルに通電しっぱなしになるシングルスティブル型ということでした。

おそらく、ラッチングリレーではコイルに短時間に与える電圧を作る回路が複雑になることなのかもしれません。
またこれまでのBOSSの電子スイッチの制御回路がシングルスティブル型の制御に向いていると思いますので、安定度もこちらの方が高いのかもしれませんね。

下の部分は他のBOSSの回路のSW制御回路の流用かもしれません.

でこのリレー3Vという低電圧で制御されますのが、これは常時通電での電力を最小限にする為に選択されたと予測します。

よって、電圧回路ではこのリレーを動作させる為の電源も作られているのかもしれませんね。(だから面積が大きくなっている可能性があります)

TB-2Wの基板はこんな感じのレイアウト?

で、まとめるとBOSS TB-2Wの基板はこんな感じで配置されていると予測しました。(バファになってすいません^^)

ということで、基板を眺めているだけでTB-2Wを単なるコピーでは無く、BOSSとしての独自の製品にする為にトンデモ無い工夫をしていることがちょっとわかったような気がします。

ToneBenderの回路は、オリジナルのマスターピース#500の音を再現する為チューニングされていると思います。

音のバリエーションは電圧だけで作った

その上で、ToneBenderの回路に変な切り替えを付けることなく音のバリエーションを作るのは、3つの電圧ということですね。
これは、SOLASOUNDに最大のリスペクをと図られたものだと思います。

異例その1

そして異例なのは入力バッファが無いということですね。
BOSSのバッファはどんな条件でも、他社のペダルと組み合わせても安定した動作を約束するものですが、TB-2Wはギターに直けるスルことが推奨されているのが異例です。

異例その2

出力バッファに関しても選択出来るのも異例です。
おそらくバッファの有無でワウなどの音が全く違って来ると思われますので、そこまでしてSOLASOUND ToneBenderの特徴を再現しているのはもう意地としか思えません。

異例その3

おそらくですが、表面実装の基板をロボットで作ったあとに、ゲルマニウムトランジスタと半固定抵抗のトリマーを手作業でハンダ付けされているように思えます。

コスト的にこの手作業はかなりの積み上げですね。

異例その4

さらに異例なのは3つのトリマがユーザーが簡単に触れるようになっているのも不思議です。
普通やって欲しく無い部分ですよね。

異例その5

そして、BOSSコンパクトペダル初めて?のトゥルーバイパスというのも注目です。

これは、前述のようにギターにゲルマニウムトランジスタを直結する為に必要なのですが、もうどうしても原価低減による利益有線が必要になる筈の大メーカーがここまでコストを掛けて搭載したのもすごいことだと思います。

出力バッファも手抜き無く搭載

そして滅多に使われない可能性もある、逆に使われる場合は音質最優先となるバッファもちゃんと作られているのも素晴らしいことだと思います。

BOSS TB-2wに対するいろいろご意見はあるかもしれないけど

このように、もしかしたらTB-2WがBOSS独自の設計であればこんな異例づくしの基板でコストを度外視してまで実現したのは、どうしてなんでしょう?

私の想像なのすが、まずMacari’sとの約束を守ること、更には、創世記のエフェクターの音を作りロックミュージックのギターサウンドを作りながらも、まさにこの世から消えようとしているゲルマニウムトランジスタの最後の集大成のペダルを作りたかったのかもしれませんね。

そもそもたった3000台のペダルのために、ゲルマニウムトランジスタのウェハを探し出し、パッケージさせることが一番の異例中の異例かもしれません。

このように高価なパーツに掛かるコスト、複雑な回路の設計が完了するまでの設計やテストの工数を掛けてまでもたった3000台しか作れない、つまり企業として儲けるための製品では無いらしいということだと思います。(勿論赤字を出すためのものでも無いです)

なので、一部ではTB-2Wについて批判するお声もあるようですが、BOSSが利益度外視でもこのペダルを作ったのは個人的には賞賛するしか無いのではと思いました。

こちらの記事もご参考に。

Talk with BOSSで Waza TB-2W ToneBenderの回路の秘密?そして生産台数や価格は?映像じっくり聞いて更に判ったこと





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