【funk ojisan 0.1w アンプ用スピーカー選び】その2:10cmフルレンジスピーカーを選んでみた
前回の投稿では、ギターアンプ用スピーカーとはどういう特性を持ったものなのかを調べてみました。
前回までのギターアンプ用スピーカーの特性まとめ
- 2KHz-3KHzの能率が異常に高い→ギターの倍音再生に特化
- 5Khz以上の周波数は苦手→不必要な高域を再生しない
- 能率100dbくらいが当たり前→音量がデカい
という感じですが、もちろん12インチなどのギター用のスピーカーを使えば最高の音が出るですが、せっかく小型の0.1wアパートメントアンプだからこそ小径スピーカーで鳴らしたい!と思いました。
【音量問題】小型スピーカーは能率が低いものが多い
スピーカーのスペックでは最大出力レベル=能率(db/w(1m))という項目があります。
ギターアンプ用の12インチ(30cm)や10インチ(25cm)スピーカーはこれが100db/w以上の能率を持っていますので0.1wの出力でもびっくりするくらいの音量で鳴ります。
しかしオーディオ用のフルレンジ8cmや10cmスピーカーは85db/wくらいの能率しかないものが多く、0.1wの出力ではかなり音量が小さいことが予測できます。
能率の値が3db小さいスピーカーでは何とアンプの出力は倍必要になるということです。
ということでスピーカーメーカーのFOSTEXで簡単に自作できる”かんすぴ”シリーズのスペックを見ると
- P800K 口径8cm 最大出力レベル 84.5dB/W(1m)
- P1000K 口径10cm 最大出力レベル 88dB/W(1m)
8cmのP800と10cmのP1000Kで同じ音量を出すには2倍以上のアンプ出力が必要ということですね!
今度はFOSTEXのFEシリーズフルレンジスピーカーで調べてみました。
- FE83NV 口径8cm 最大出力レベル 87.5dB
- FE103NV 口径10cm 最大出力レベル 88.5 dB
- FE126NV 口径12cm 最大出力レベル 92.0 dB
- FE166NV 口径 16cm 最大出力レベル 94.0 dB
- FE206NV 口径 20cm 最大出力レベル 96.0 dB
私も0.1wアンプで手持ちの能率84db のスピーカーで鳴らしてみたのですが、やはり音量的には厳しいものがありました。
なので10cmくらいで90db以上のスピーカーがあればなんとか部屋で鳴らすとちょうど良い音量になるということを予測しました。
ちなみに、最近のクラスDアンプは余裕で50w出せるので能率が低いスピーカーでもボリュームを上げればOKというのが最近のオーディオ事情なのだと思います。
【周波数特性問題】フルレンジスピーカーとギター用の周波数特性は全く違う
FOSTEXの10cmフルレンジスピーカーの名機を継承したFE103NVの周波数特性を見てみましょう。
何と、ギターアンプ用スピーカーとして最も重要な1.5Khz~2.5KHzに大きな谷があるのです!
これはギターアンプ用スピーカーはもとより、オーディオ用としてもギターサウンドの再生が苦手(2KHz-5KHzにピーク)と思われますので、ギターマニアの方の音楽鑑賞用としてはちょっとどうなんでしょうねぇw
おそらくFE103NVはボーカルの美味しい音域である500Hz〜1Khzを重視したこと、またオーディオ用フルレンジスピーカーとして10KHz〜18KHzの超高域もちゃんと再生出出来るように作られているということですね。
ちなみに、私がデスクトップ用のスピーカーとして使っているPARC AudioのウッドコーンスピーカーDCU-F121Wですが、、、
これの周波数特性はこんな感じです。
こちらはギターの領域もフラットに再生できるようで安心しましたw
また10K Hz〜20KHzも無理して能率を上げるようにチューニングされていないのもいいですね。
ただ、このスピーカーにしても出力音圧レベルが86.5db/Wなので、ギターアンプ用スピーカーとしては音量足らずになってしまいます。
高能率&10KHz以上を無理していない10cmフルレンジスピーカーがあった!
で、結局10cmのフルレンジで音量を稼ぐ為に高能率のスピーカーを探すことにしましたので秋葉原のスピーカーユニットの聖地コイズミ無線にいって見ることにしました。
こちらがコイズミ無線様のHPです!
フルレンジユニットにしても選び切れないほど種類がありますね!(^^
ですが、店頭にでに定価3,152円でGRS 4FR-8というスピーカーで、コーンキャップに凹みがあるというジャンク品が2500円くらいで販売されているのを発見しました!
こんな感じでコーンキャップが凹んでいました。
ここからセロテープで張って凹みを引っ張ることで少し回復しましたw
でこのGRS 4PF-8 の基本スペックを確認すると
- 出力音圧レベル:91dB
- 最低共振周波数:100Hz
- 再生周波数帯域:100~10kHz
10cmスピーカーとして91dbの能率は立派です。
更に、再生周波数帯域が10Khzというのはフルレンジスピーカーにしては珍しいですね。(海外のHPでは近い型番の製品をウーファーとして販売されていますのでもしかしたら共通の製品なのかもしれません)
ただこのスピーカーはメーカー発表の周波数特性が公開されていないのですwww
ここまで周波数特性が云々って言って結末はそれかよっ!という感じとは思いますが、小型フルレンジで10KHz以上を犠牲にして能率が91dbと高く設計されていますのでおそらく2KHz~5KHzあたりにピークがあるようなスピーカーでは無いかと勝手に予測しました、、、、
なので、このGRS 4PF-8は高能率&超広域の再生を捨てているというある意味ギターアンプ用スピーカーに近いユニットとして今回の用途では最高なのではと思います。
次回は更に、このスピーカーを用いてギターアンプ用のエンクロージャーの制作(ポン付けですがw)をやってみたいと思います!!
p.s. なんかこのGRS 4FR-8スピーカーユニットアマゾンで見るとめっちゃ高いんですが(^^