Ibanez TS808HWV2とTS9 1st Reissueを比較してみた – 周波数特性編
先日Ibanez TS808HWV2をお借りすることができ疑似開封させていただいたという記事をアップさせていただきました。
なので、これまでもTS系については何度か計測を行っているとき同様に、私のTubeScreamerリファレンス機としてTS9 1st Reissuneと比較してみることにします。
Ibanez TS808HWV2 v.s. TS9 1st Reissue バイパス時の周波数特性比較
まずはバイパス時の比較です。
ちなみに今回からオーディオインターフェース自身をキャリブレーションして計測しました。
今回キャリブレーションしましたのでトゥルーバイパスであるTS808HWV2はフラットな周波数特性になっていますね。
それに対して、バッファードバイパスのTS9は少しだけ100Hzより下に影響が出ていますが、バッファーとしてはこれが普通だと思います。
Ibanez TS808HWV2 の周波数特性
こちらがTS808HWV2計測結果のグラフです。LEVELを2で固定して、OVERDRIVEとTONEツマミを、0、2.5、5、7.5、10にして計測していますので、25本のラインがプロットされています。
Ibanez TS9 1st Reissue の周波数特性
TS9も同様の方法で計測しています。今回はオーディオインターフェースをキャリブレーションしたことと、2機種のレベルを合わせるために再測定していますが、いつも見慣れたプロットグラフになっています。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=0での周波数特性比較
早速比較しますが、上の2つのグラフはプロット線が多いので、まずはOVERDRIVEツマミが0でTONEを変化させて時の周波数特性です。
TS808HWV2の方が出力レベルが高いですね。
しかし、プロットされたグラフのはかなり似ていますね。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=0 TONE=5での周波数特性比較
なので、更にTONEツマミを真ん中の5にした時の周波数特性を抽出して比較してみました。
TS808HWV2とTS9のプロットラインはほぼ並行ですね。
そして出力差としては100Hzで7db、1KHzで6.5db、10KHzで6.5dbの差になっています。
わずか0.5dbですので、同じと言っても良いのですが、あえていうならカップリングコンデンサの差でしょうかね。TS808HWV2の方が低域側のロスが少ないのかもしれません。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=2.5での周波数特性比較
OVERDRIVEツマミを2.5にしても同じように2機種はよく似た周波数特性ですね。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=2.5 TONE=5での周波数特性比較
こちらもやはり7dbから8dbTS808HWV2の方が出力レベルが高いようです。ただ、TS808HWV2にはツマミの目盛りがないので正確に2.5に合わせられていないことが考えられますので参考値にしていただければと思います。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=5での周波数特性比較
OVERDRIVEツマミを5にしても両者はレベルの差がありながらも周波数特性の曲線は同じ傾向に見えますね。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=5 TONE=5での周波数特性比較
ツマミの目盛りがなくても5であればほぼ正確に合わせることができますので、両者の違いは5dbから6dbの違いに見えますね。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=7.5での周波数特性比較
これまでと同様の傾向ですね。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=7.5 TONE=5での周波数特性比較
今回は5dbの出力差になりましたがOVERDRIVEツマミ7.5も合わせることが難しいのでこちらも参考にしておいてください。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=10での周波数特性比較
ドライブがフルの状態でも2機種が同じほぼ周波数特性であることがわかりました。
TS808HWV2 v.s. TS9 | OVERDRIVE=10 TONE=5での周波数特性比較
こちらは、100Hzで7db、1KHzで6db、10KHzで5dbの出力差になりました。
TS808HWV2とTS9周波数特性比較まとめ
ということで、Ibanez TS808HWV2とTS9 1st Reissueの周波数特性の計測をおえていったんまとめてみましす。
- TS808HWV2とTS9 1stはTONEツマミ位置にかかわらずほぼ同じ周波数特性を示した
- TS808HWV2の方が出力レベルが5dbから7db高い
ということが言えると思います。
ちなみにIbanezの公式HPにもこのように書かれていました。
最大出力レベルを+6dbブーストすることが可能ということが実計測結果にも表れているということですね。
ちなみに、Youtbeなどで、今後もHW808HWV2のレビュー動画や比較動画でアップされるとおもいますが、これまでのTubescreamerと同じツマミ設定の場合、確実にブーストされているということですので、ご冷静にレビューの内容を確認してください。
同じペダルでも出力レベルがアップすると確実に良い音に聞こえる。と思います(^^
ちなみに、人間の耳は周波数特性の差よりも、音量差の方がはるかに敏感なようです。
また、出力レベルが6dbも違うと後段のペダルや、アンプを確実にプッシュしているということですから、総合的な歪みもまったく違う結果になると思います。
と思ってネットで検索してみると、まさにTS808の+6db Modなるものが販売されていることが出てきました(^^
といういうことからも音量アップというモディファイはかなり効果があるようですね!
いかがでしょうか?
次の記事では、もうすこし歪み特性に関しても計測してみたいと思います。