UNIVOX Super FuzzオクターブファズもシミュレーションしてGuyatone WAH-FUZZと比較してみた
Guyatone WAH-FUZZ FS-5のオマージュペダルを作ることになったのですが、その準備として回路シミュレーションについて前の記事で書かせて頂きました。
Guyarone WAH-FUZZ FS-5とUNIVOX Super Fuzzの回路比較
この件でいろいろ調べれたのですが、海外のフォーラムでGuyarone WAH-FUZZ FS-5とUNIVOX Super Fuzzの回路比較を行っているポストを発見しました。
こちら>https://www.diystompboxes.com/smfforum/index.php?topic=118071.0
UNIVOXとGuyatoneのオクターブファズの最も大きな違いは初段のブースター回路ですね。
- UNIVOX Super Fuzz – NPNトランジスタ2石
- Guyatone WAH-FUZZ – Nch JFET 1石
つぎの、NPNトランジスタによるフェイズスプリッター、そして差動増幅回路で構成されているオクターブファズ回路の部分の違いは
- UNIVOX Super Fuzzのフェイズスプリッター – 電流帰還バイアス回路
- Guyatone WHA-FUZZのフェイズスプリッター – 自己バイアス回路
- 差動増幅回路のバイアス抵抗の違い
Tone ChangeスイッチでのEQフィルター回路
- UNIVOX Super FuzzのEQ – スライドスイッチで切り替え
- Tone #1 EQスルー
- Tone #2 ノッチフィルター
- Guyatone WHA-FUZZ – フットスイッチで切り替え
- Tone #1 ノッチフィルター
- Tone #2 ノッチフィルター
という感じでしょうか。
UNIVOX Super Fuzzのシミュレーション回路
ということでこちらがUNIVOX Super Fuzzのシミュレーション回路です。
初段ブースター回路のシミュレーション
早速、UNIVOXとGuyatoneの回路で最も違う初段のブースター回路について確認してみました。
今回もp-pで200mVの1Khz正弦波をInputとしてOutputが初段ブースト回路のシミュレーション結果です。
このブースト回路は1Khzでちょうど200mVを2V-3V程度増幅しているようですがプラス電圧側の増幅がリニアでないらしく波形が非対称になっています。
またUNIVOXの方が少し電圧増幅率が高いようで、Guyatoneの方が歪が深いようで、歪により発生する倍音をFFTで確かめてみました。
波形をみただけでも判るかもしれませんがUNIVOXの方が初段のブースターで発生している倍音が少ないですね。
次にGuyatoneとUNIVOXの初段ブースト回路の周波数特性をシミュレーションしてみました。
これも回路図をみただけである程度判ると思いますが、Guyatoneがフラットな周波数特性なのに対して、UNIVOXの方は800Hzくらいをピークとするミッドブースターであることが判りました。
オクターブ回路&クリッピング回路のシミュレーション
前のGuyatoneの記事では細かくシミュレーションしましたが、差分増幅回路直後のオクターブ波形と、それをゲルマニウムダイオードでクリップした時の波形を示します。
この波形はやや違えど、オクターブファズとしてUNIVOX Super FuzzとGuyatone WAH-FUZZ FS-5の回路は当然仲間であることが判りますね。
EQ回路のシミュレーション
次はその後にフィルタするEQ回路のシミュレーションです。
Guyatoneは800Hzあたりをカット、UNIVOXはぴったり1KHzをカットするフィルターになっていますね。
UNIVOXの2つのトーンモードを通過した波形はこんな感じです。(Tone#1はEQがスルーされます)
UNIVOX Super Fuzzのシミュレーションまとめ、Guyatone WAH-FUZZと比較してみて
ということでUNIVOXとGuyatoneのビンテージオクターブファズの回路のシミュレーションをやりましたが、この両機は基本的にフェイズスプリッター回路と差分増幅回路で構成されていることが判りました。
違いとしてはUNIVOX Super Fuzzは初段がミッドブースターになっていること、そしてEQ回路(ノッチフィルター)ですね。
なのでUNIVOXの方が太くてリッチなオクターブファズサウンドということを予測しました。
そしてこのジャパニーズオクターブファズ回路はShin-ei>UNIVOXがオリジナルかとおもいますが、Guyatoneがそこから初段ブースター回路、オクターブ回路、EQ回路いずれも、Guyatoneの方がパーツ点数が少なくなるように再設計されているのかもしれませんね。
ということで、今回2つの回路をシミュレーションしたことでオクターブファズを制作するにあたりいろいろヒントが出てきました!!
次の記事ではブレッドボードで試作してみます!
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