OC84のTone Bender MK II をLTSpiceでシミュレーションしてみた
LTSpice でToneBender MkII の回路再現
オリジナルのTone Bender MkIIをLTSpiceしてみました。
偶然にもOC84トランジスタSpiceデータがたまたまころがっていたので採用させて頂きました。
回路図左側の四角の中はギターの回路で出力は1KHzの正弦波です。
ラベルのIn、Q1-CV、Q2-CV、Q3-CV、Outの電圧波形データを取って、更にFFTグラフで周波数分析します。
入力信号
入力波形はサイン波。
1段目で片側ソフトクリップ
1段目のトランジスタの出力を見ると、波形の片側のみクリップされています。入力にバイアス電圧かけてないのでこうなりますということですね。
片側クリップということで、2次倍音(2KHz)が強く発生していますね。
2段目でもう片側ソフトクリップ
で、ToneBenderのQ2とQ3はモロFuzzFceの回路ですね。
Fuzz Faceの回路でシミュレーションした通り、これも片側クリッピング。つまりQ1で片側、Q2でもう片側をクリッピングしているということですね。
これはQ1で歪ませながらも信号レベルは低いままなので、Q2でも完全にクリップしていません。
このように片側づつソフトクリップさせているのが複雑な歪みを生んでいる要因かもしれません。
FFT見るとより倍音が出てきましたね。
3段目で激しくクリップ
そしてFuzzFaceと同じくQ3で大きく増幅して完全にクリップするということですね。
FuzzFaceは Fuzzノブの上限近くに設定しないと官能的なFuzzサウンド出難いのですが、今回のToneBenderのAttackノブは半分にしています。それでも激しく歪むのがFuzzFaceと違うとこの1つだと思います。
出力の波形
Outの前のコンデンサ通してこんな感じに変化します。
こちらが出力のFFT。2次倍音、3次倍音が均等に出ていますね。
まとめ
ということで、ToneBender MkIIは、FuzzFaceの前に片側クリップ回路を追加したという感じでですが、その結果Q1とQ2で片側づつソフトに歪ませることで2次倍音を発生させ、Q3で深いFUZZらしい歪みを生むというクレバーな回路のようです。