BOSS Tonebender TB-2W の気になる中間バッファー回路?をLTSpiceでシミュレーションしてみた
年明けからのんびりムードで油断してた!
今年の目標でどうせ手に入らないのならBOSS TB-2Wの予測クローンを作る宣言していましたので、まずは前回の記事でTone Bender MKIIの回路をLTSpiceでシミュレーションしてどのような動作をしているかを確認しました。
ところがそんなこんなのんびりやってるうちに、なんと!突如!先日BOSS Tone Bender TB-2Wの販売開始が4月24日に決定したことをアナウンス!本当に(^^2秒で売り切れたのがバズっていますね。
確か夏前に発売するということだったので油断していましたorz
ということで4月までになんとか予測クローンプロジェクトを加速させる為に、更にLTSpiceシミュレーションを活用することにしました。
BOSS TB-2Wのプロモーションビデオに出てきた不思議な回路を再現してみた
TB-2Wのプロモーションビデオを見て気になる回路図が出て来るということをこちらの記事で紹介させて頂きました。
なので、この回路が成り立つのか?LTSpiceでシミュレーションしてみることにします。
まずオリジナルのTone Bender MKIIの回路です。
こちらが、1段目の後にFETバッファを追加してみた回路。FETはLTSpiceのライブラリにあるJFETのJ201を使います。
BOSS の映像ではトランジスタのコレクタとベースの間にコンデンサが入っていますが、同じOC84トランジスタでシミュレーションしていますのでまずはFETバッファのみ追加してみます。
バッファの増幅率は1弱でカップリングコンデンサ等が無いので音色も変化しない筈です。
2つの回路をLTSPiceでシミュレーション比較して見た
2つの回路を1Kh正弦波の入力でシミュレーションして見ました。追加した回路はQ1のコレクタの電圧波形と、FETバッファのソースの電圧波形を取っています。
バッファを入れた回路では、一段目のトランジスタの動作ポイントが変わってクリップが少なくなっています。
FETを通過した後もオリジナルの波形に比べてよりソフトな歪みになっていることが判ります。
そして、2段目に入る前の信号をFFTで周波数分析して比較したのが下のグラフです。少し倍音の構成が変わっていますがまだ顕著な傾向は出ていないようですね。
そして二段目のトランジスタを通過した後の波形を比較したのが下の図です。ここでバッファを追加したことによってQ2の動作ポイントが変化したということでしょうか、ここでも波形に違いが出ていますね。
そして二段目のトランジスタを出た時のFFT周波数分析の比較。バッファを追加した回路では、2次と4次の偶数次倍音のレベルが少し大きくなった代わりに3次倍音のレベルが大きく下がっています。
三段目トランジスタ出力後の波形はこちら。
そしてOUTでの信号がこちら。
でOUT信号をFFT周波数分析を行って比較したのが下の図です。ここでもバッファ追加回路の方が3次倍音が低いままの状態が意地されています。
これらのことから、Tone Benderの1段目のトランジスタの後にFETバッファを追加することで、1段目の歪みが緩やかになり、その結果心地良い歪みと言われている2次倍音の比率が高まっているということが予測できます。
Tone Benderの中間FETバッファはなかなか使えそうな回路
これはあくまでもシミュレーションであり、実際のトランジスタや回路ではこの通りならないと思います。
が、Tone Benderの回路にある1段目のトランジスタの後に増幅もせず音色を変化させない(筈の)FETバッファを追加することで、歪みが発生するポイントが変化し、オリジナルとは異なる音になるということは予測できたと思います。(当たり前と言えば当たり前ですが)
まぁ、BOSSが本当にTB-2Wにこの回路を採用しているかは当然わかりませんが、なかなか使える回路なのじゃないでしょうか?
まぁ、実はもう実回路ではFET追加して動作させているのですが(^^
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