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やっと答えが!ギターアンプの周波数特性はフラットに出来るのか? その7 – BOSS Katana 50 MkII パワーアンプ+スピーカー計測編


ということギターアンプの周波数特性はフラットに出来るのか? シリーズですが一気に第7話まで突入してしまいましたw

今回はBOSS KATANA 50 MkIIのパワーアンプ+スピーカーの周波数特性を計測してみたいと思います。
まずは前の記事でKATANA 50 MkIIの構成などを確認しております。

KATANA50のスピーカーから出る音を計測用マイクで周波数特性を確かめてみた

ということでCUBE40では、リターン端子とヘッドホン端子の間でパワーアンプ単体の周波数特性が計測できましたが、KATANA50のヘッドホン端子はそのような構造になっていません。

よってPOWER AMP IN端子から計測用信号を入力しスピーカーで再生した音を計測用マイクで周波数特性を計測してみました。

その結果がこちらです。

BOSS KATANA 50 Gen3 Power Amp to Sepaker
BOSS KATANA 50 MkII Power Amp to Sepaker

2回計測した結果を重ねていますが(よく見ると、緑と赤い線が見えると思います)がほぼぴったり重なっているようなので、このグラフがその結果とします。

BOSS様あるいはRoland様謹製KATANAスピーカー!

BOSS KATANA50 ではKATANAという独自ブランドのスピーカーが搭載されていますね。

BOSS KATANA50 Speaker Unit

で今回の周波数特性の計測結果を見ると、このKATANAスピーカー、所謂これまでのギターアンプ用のスピーカーではない特性を持つスピーカーのようです。

こちらが、FOSTEXの20cnウーファーであるFW305の周波数特性で100Hzから400Hzの低域はフラットです。

FW305はウーファーですので3KHz以上は一気に減衰傾向にありますが、KATANAスピーカーは5KHzまで高域が伸びていますね。KATANAスピーカーも低音域で負けず劣らずフラットです。

ちなみに、こちらがFOSTWXの20cmフルレンジスピーカーであるFE206NV2の周波数特性です。

FE206NV2は流石にフルレンジスピーカーですので10Khzまで伸びていますが、200Hz以下では少しずつ減衰して行きます。
おそらく、フルレンジスピーカーでは、エンクロージャーをバスレフにしたり、ホーン構造にして低域を補うことになるのでこれがちょうど良いのかもしれません。

で、ギターの再生では5KHz以上を再生してしまうフルレンジスピーカーをギターアンプに使うと、歪んだ時にパリパリとした音まで出てしまいます。
ということでKATANAスピーカーでは5Khzを再生しない方が良いということですね。

BOSS KATANAスピーカーとRoland CUBE40純正スピーカーの比較

で、こちらが再度KATANAスピーカーの周波数特性をあらためて観察してみます。

BOSS KATANA 50 Gen3 Power Amp to Sepaker
BOSS KATANA 50 MkII Power Amp to Sepaker

こちらがCUBE40のセレッションブルーっぽいw周波数特性。

Roland CUBE40 Power Amp to Speaker Measure
Roland CUBE40 Power Amp to Speaker Measure

KATANAスピーカーは800Hzから100Hzまでほぼフラット、これはギターの6弦の基音の周波数帯ですので、それがまんべんなく再生できる特性ということですね。
その一方で1Khzから5Khzでギター用スピーカーのようなピークも見られません。
KATANAスピーカーは一般的なギター用スピーカーとは異なる特性であるということがわかりました。

流石BOSS & Roland!!

で結果的として、KATANAスピーカーはギターの音域の再生に必要な周波数帯がフラットに実現できているということですね。

更に見るとKATANAスピーカーでは分割振動モードの周波数がきっちり1Khzに設定されているようです。
その結果基音の周波数帯域でも、倍音の周波数帯域のどちらも、おおきな減衰ポイントが発生し無いということで、これも素晴らしい設計ですね。

これは明らかに従来のギターアンプの特性とは異なりますし、オーディオ用のウーファースピーカーでもなく、フルレンジスピーカースピーカーでもなく、まささにKATANAアンプ専用設計のスピーカーということですね。

流石BOSS、そして、Rolandの底力を認識してしまいました(^^

ギターアンプの周波数特性はフラットに出来るのか?の答えが出た!

ちなみにKATANA50のパワーアンプ側でEQがコントロールされているかは残念ながら回路図でもみないとわかりりません。

しかし、このKATANA50 パのワーアンプ+スピーカーはギターの音域をフラットに再生できる実力を持っていることがわかりました!

長かったですねー、、、、っていうか引っ張ってしまったのは私ですが、、、、

とにかく、第7話でやっと、ギターアンプの周波数特性はフラットに出来るのか? シリーズの答えが出たことになりますね!

冷静に考えると、JC-120ではスピーカーをKATANA用の替えればフラットになるかも、、、、ですが、、、元も子もですねw

KATANA50のPOWER AMP INはFR-FRなのかもしれない

で、ここ最近、すばらしいアンプシミュレーターが出まくっているということで、それを再生するためのFRFR(Full Range Flat-Response)機器という話が話題に出てきていますね。

アンプシミュレーターの方で、アンプの特性をシミュレーションして、IRでルーム音をシミュレーションできますので、パワーアンプや、スピーカーで余計な色付けを行わないフルレンジ・フラットレスポンスのスピーカー環境が必要になるということですね。

LINE6の公式ブログでもそのような解説が行われています。

KATANA50のPOWER AMP INは、5Khz以上を見ると完全なフルレンジではないですが、昔ながらのギターアンプのスピーカーでは5Khz以上が減衰します。
よってアンプシミュレーターとしての再生環境としては十分な帯域を持っていることから、まさにFRFR特性に近いと言っても良いかもしれませんね。

ということで、KATANA50のMkIIやGen3はわずか3万円で、簡易的なFRFRスピーカーとして使えそうということで、アンプシミュレーターを使って小さなライブハウスや学園祭の教室などで演奏される方にとってはさらにコストパフォーマンスが高いアンプになるかと思います。

ちなみに、もうすこしこの話題ひっぱらさせてくださいねm(_._)m

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