ギターアンプの周波数特性はフラットに出来るのか? – その4 Roland CUBE 40 スピーカー計測編
我が家のビンテージ(あと10年で)トランジスタギターアンプRolad CUBE40のプリアンプ、パワーアンプの周波数特性を計測してまいりました。次はいよいよスピーカーの周波数特性の計測となります。
前々回のポストではプリアンプのトーンスタック回路の独特の周波数特性を計測。
前回のポストではパワーアンプの周波数特性はフラットであることを確認していました。
なのでCUBE40を実際に鳴らして、マイクを用いて計測することになりますが、ここでマイクの周波数特性が重要になってきます。
そもそもマイクの周波数特性ってフラットじゃない
マイクはその機種によって周波数特性がまったく異なるようです。
こちらは、ギターのボディ材はサウンドに関係無い!というSNSでバズリまくったw伝説の動画を投稿されたJim Leeさんがマイクの周波数特性について検証した動画です。
これを見ると、定番のギター用スピーカーSHURE SM57なんてそれ自体が音つくりしてしまうくらいの周波数特性のようで、そもそも定番マイク自体がフラットでないようですね。
なので、よく、Youtubeの動画でマイク撮った音声を加工していないでアップした方がよい議論があると思いますが、そもそもマイク自体が強烈なEQを持っているデバイスですので、もしかしたら、DAWソフトや動画編集ソフトなどでEQをいじるよりもマイクの周波数特性の差の方が大きい場合もあるようです。
ちょっと脱線しましたが、このギターアンプの周波数特性はフラットに出来るのか?シリーズなのですが、そもそも音を記録するマイクの周波数特性がまったくフラットで無い時点で破綻しているのかも、、、、、なんて話はおいておいて、、、、
なのでスピーカー測定用マイクを準備しました
そんな、クセありまくりのマイクですが、それでは周波数特性が計測できないようですが、計測専用のフラットな特性をもつマイクがあります。
で高価な周波数特性計測用マイクは1本1本が出荷時に計測され、キャリブレーションファイルが付属していますので、フラットな周波数特性で計測できることがある程度保障されていますので、厳密に計測をしたい方は9万円から10万円の測定マイクを購入してくださいね。

しかーし!私はそんな効果なマイク購入できないので、なんちゃって計測マイク購入しています。
ブランドは皆さんご存じのベリンガーです。

ただ、このなんちゃって計測マイクでも、アマチュアが周波数特性を計測する用途ではまぁ使える性能らしいとか、、、、笑
ただ、プアマンズの味方のベリンガーだからある程度の性能は出ていると思ってます笑
もうすこし投資するなら伝統のブランドのdbxのでもよいかもしれませんね。

計測はこのようにして、PCからスイープ信号をオーディオIF経由でアンプに入力し、計測用のマイクを使って計測します。

ホームオーディオの場合、部屋の特性込みで周波数特性を計測してフラットなイコライジング補正するようですが、今回のギターアンプのスピーカー計測ですので、あえてベットの上に置いてマットで共振の防止と、反射音を吸収してもらうことを期待しました(本当は部屋がせまいだけなんですがw)
Roland CUBE40のスピーカー特性の計測結果
PC>オーディオIF>CUBE40のリターンに信号を入力し、スピーカーで再生された音声を計測用のマイクで空気録音で取得した周波数特性がこちらです。

このプロットは空気録音ですので、誤差が発生するかもしれないので3回計測している結果を重ねています。
ほぼ重なっていてよかったので、下のグラフで1つだけ抽出しました。

ギターアンプ用スピーカーの周波数特性は全然フラットじゃない
高域は5Khzで頭打ち、低域も400Hzからだだ下がり、一方で2Khzから3Khzに強いピークが発生していますね。
また1Khzのちょっと上あたりで、谷間がありますが、これは、それ以上の周波数でコーン紙が分割振動(ボイスコイルの振動通りにコーン紙がストロークしない)領域にっていると考えられます。
たまにギターアンプのスピーカーは10インチや12インチと大口径なのは、聴き取りにくい低域もはっきり出す為という解説がありますが、ギターアンプのスピーカーは低域も出さない(出ないということではないけど)スピーカーということ、またこれだけ大口径になると高域当然も苦手になりますので、とにかく1Khzから5Khzくらいまでのハイミッドをいかに大音量で出せるかに特化したスピーカーということですね。
これはおそらく昔は、とにかく効率が良いスピーカーが必要だった故に必要な口径サイズだったかと思われます。
で、これはRolandのギターアンプ用のスピーカーだからというわけではなく、伝統的なギターアンプ用のスピーカーの特性ということで、こちらがそれを調べてみた記事です。
この記事を振り返ってみると、Roland CUBE40のスピーカーって、Celestion Blueに似ている感じですね。
こちらがCelestion Blueの周波数特性

こちらがCUBE40のスピーカーの周波数特性。

ということで、Roland CUBE40は、プリアンプがちゃんとしたトーンスタック回路、センドリターン端子、スプリングリバーブ内臓、そしてスピーカーはセレッション・ブルーっぽい(かも)ということで、かなりお買い得で高性能なアンプだったんだということを再認識しましたw
いまなら中古で数千円で買えるはずなので、5千円以下でセレッションサウンドが出る(でないけどw)アンプということで注目お願いします!
ということで次の記事では、Roland CUBE40の出音の周波数特性をちょっと掘り下げてみたいと思います。



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