BOSS DS-1日本製銀ネジと台湾製の音の違いを確認したい!| (その2:周波数特性編) 違いが確認できた!
世界中のご家庭で一家に一台になっているディストーションペダルの定番中の定番 BOSS DS-1ですが前回の記事ではその元祖日本製の銀ネジDS-1を貸して頂いたところから、その音の違いを確認する為計測の準備をしたというお話をアップさせて頂きました。
なんと我が家からDS-1日本製黒ネジが発掘された!
そして、その準備が完了するかしないかのうちに、我が家の押し入れからなんと2台目のBOSS DS-1が発掘されました!
何とそれが黒ネジの日本製個体であることが判明しました。
追記>で、この日本製DS-1黒ネジ個体ですが、こちらもいつもお世話になっておりますデルリン @delrin500_96 さんから貸して頂いた個体ということでした!申し訳ありませんでした!orz
なんとなくもう1台DS-1があったようなと思っていたのですが、日本製とか台湾製とか拘りがなかったので記憶からスルーされていました。
ここ最近の日本製とかイングランド製とか貴重?なんて話怖いですwww
まずは3台+1でバッファ性能の確認
ということで、DS-1日本製銀ネジ、DS-1日本製黒ネジ、DS-1台湾製(スルーホール基板)の3台を比較することが出来るようになりました!
まずはBOSSのペダルといえば(色々のご意見がある)バッファですが、そのバッファの周波数特性を確かめてみることにしました。
で、少し前にBOSS SD-1のブラックバージョン40周年モデルを購入していました。
ご存じのように近年のBOSS DS-1やSD-1は表面実装(SMD)部品によって組み立てられています。基板がめちゃめちゃコンパクトになると同時に電子パーツの基本性能が向上しており、つまりはバッファの性能も向上しているという噂が流れていますね。
なので、バッファの比較のリファレンスとしてSD-1(SMD)も使い間sづ。
比較グラフは以下のようになります
白線:DS-1日本製銀ネジ
緑線;DS-1日本製黒ネジ
水色線:DS-1台湾製(スルーホール基板)
紫線:SD-1マレーシア製(表面実装基板)
紫線見難くって申し訳ありませんorz
でこの結果を見ると日本製2台と台湾製のDS-1のバッファ性能はほぼ同一ということが判ります。
銀ネジと台湾製では20年くらいの差があると思いますが、トランジスタ、コンデンサ、抵抗などバッファを構成するパーツのクオリティは変わっていないということが判ります。
周波数特性は低域が落ちていますが、これはエフェクタの回路では信号経路にカップリングコンデンサが使われるのが普通ですので、普通に発生する特性だと思います。
ギターの音域はローEで80Hzですので、これくらいの低下であればBOSSペダル単体ではほとんど気にならないとはおもいます。
そして、上は10KHzまでほぼフラットですので、これまでBOSSのバッファによる音痩せ問題の話がいろいろ流れていましたが、バッファとしては問題無い特性ですね。
ですが、最新の表面実装パーツで組み立てられているSD-1は低域のレンジが広がっていることが判りました。
これは表面実装のパーツの性能が高いのではなく、もしかしたらカップリングコンデンサの容量が大きくなっているのかもしれません。
これによって5台、6台を直列に繋いで全てバイパスにすると低域が少なくなることを感じるかもしれませんね。
ここで脱線しますが、現実的に考えると5台全てのペダルをバイパスにするということはほぼ無いと考えるとバッファの性能もこんな感じで良いのではと思います。
そして仮に1つでも歪み系ペダルをONにした瞬間に低域はごっそり削られることになりますので無理して低域を伸ばす必要は無いと思います。
まぁですが流石にネットでそれが騒がれていますので、最新のBOSSのペダルでは対策というか改善されているということが確認できました。
グラフを見る限り80Hz以上はほぼフラットですので、皆さん安心してBOSSのペダルを直列にしてください!w
DS-1のTONEを真ん中(12時)にした時の特性
で次にDS-1をONにして、GAINを0、TONEを真ん中の5にした状態での周波数特性を計測してみました。
この低域と高域に2つのピークがあることがDS-1の特徴となると思います。
TS系と呼ばれるペダルの殆どが中域が盛り上がったかまぼこ型の周波数特性ですので、DS-1はそれらと違う特性になっているということですね。
そこで、日本製2機種と台湾製を比較してみると水色の台湾製DS-1が最も低域ががタイトということが判ります。
この後お見せする他のツマミ位置でも同様の傾向を示しますので、台湾製が最も(わずかな違いですが)ローカットされているようです。
加えてミッドの谷の周波数とハイのピークは台湾製が少し高い方にスライドしていることが判ります。
次に日本製同士を比較すると、黒ネジの方が少し中低域がタイトで中高域は逆に出ている感じです。
日本製銀ネジが良い意味で最もDS-1特有のクセが少ない感じですね。(あくまでも相対的な比較ですが)
DS-1のTONEがゼロの特性
次にトーン0での周波数特性を確認してみます。
やはり台湾製の低域が最もタイトですね。これで台湾製が少し高い周波数からローカットが行われていることが判りました。
で、日本製黒ネジの方がローが強く出ています。日本製同士だとやはり黒ネジの方がよりダイナミックにトーンが変化する、つまりDS-1の癖が強いと思われます。
DS-1のTONEが1/4(10時)くらいの特性
次のTONE=2.5の周波数特性を確認してみます。
やはり台湾製の低域がタイトなのですが、逆に高域も抑えられていますね。この特性はちょっと扱い辛いかもです。
でここで、日本製の2台の違いが出てきました。
まず日本製黒ネジの方は山谷の差が激しいですね。なのでやはりこの3台の中では最もトーンがダイナミックに効く、つまりDS-1特有の音がより強く出ているこが判りました。
一方の日本製銀ネジの方はやはり最もバランスが良いことが現れていますね。(ただ癖の強いDS-1の中ではということになりますが)
DS-1のTONEが3/4(2時)くらいの特性
次はTONE=7.5での比較です。
ここでいきなり台湾製が高域が目立ってきました。
歪系ペダルの高域の調整は5Khz前後なのですが、台湾製DS-1はピークが10KHzあたりになっていますので、聴感上はギラつく感じに聞こえることが予測できます。
どうやら台湾製DS-1はツマミ左側では高域が寂しく、右側では高域が痛くなるというジキルとハイドみたいになかなか調整が難しいことが予測できます。
でここでも日本製銀ネジよりも日本製黒ネジの方がダイナミックに変化していることが判ります。
DS-1のTONEフルの特性
最後にTONE=10にします。
若干ですが台湾製が10KHz以上が更に増えていますね。更に痛くなっている感じですね。
そして、TONE=7.5から更に低域が極端にカットされています。もうハイだけ出れば良いという感じですね。
やはり台湾製はちょっと扱いにくいかもしれません。
そして、日本製2台の差が縮まりましたが、やはり黒ネジの方がわずかに高音が出ています。
台湾製と比較すると低域を残こそうとしているのは共通ですね。
DS-1日本製と台湾製 3台の特性まとめ
今回の計測をやりたくなったのは、BOSS DS-1日本製と台湾製って本当に音が違うの?という疑問からですが、測定結果としても明らかに違うということが判りました。
このことさえ判れば大満足なのですが、せっかくなので私の感想と今回の特性をまとめてみました。
・DS-1台湾製はツマミ左半分と右半分で極端に性格を変える。またローカットの周波数がちょっと高いタイトな音。
・DS-1日本製黒ネジはDS-1の特徴を強く出るダイナミックなトーン特性。
・DS-1日本製銀ネジは個性的なDS-1の中ではバランスが良い特性。
・(おまけ)バッファ性能は最新の表面実装版DS-1の方が良くなっている可能性が高い。
で、DS-1の実際のトーンの使い方として、真ん中の12時を基本として、2時くらいまでアップするのか?あるいは10時くらいまでダウンするのが普通だと思います。
で、12時を境にして左は低域のブースト、右は高いのブーストになる動きをするわけですが、厄介なのは12時の位置でミドルが少しカットされるということです。
これは以前アップした、BOSS DS~1のシミュレーションの結果通りだと思いました。
なので、この癖を回避する為におそらく2時か10時の使われることになるのではと思います。
逆にDS-1の癖が好きな方は12時くらいが良いということかもしれません。
ということで、これらの特性はあくまでも今回私が計測できた3台の特性にすぎません。
おそらく個体差もあると思いますので個体によっては異なる結果になると思います。
そして今回の結果では、日本製と台湾製には結構な違いが出ていましたので、ネットに流れている日本製と台湾製の違いは確実にあると思います。
ただ、銀ネジ、黒ネジ、台湾製、表面実装版のどれが良い音?という結論は絶対出無いと思いますので、日本製の方が流通価格が高いから良い音と認識するのはちょっと注意する必要があると思います。
お礼
今回計測に使わせていただいた貴重な日本製のBOSS DS-1 を貸して頂いた デルリン @delrin500_96 さん といきすぎたDIYさん@ikisugita_DIYさん本当にありがとうございました!
続編記事はこちら
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