Gyuatone/UNIVOXオクターブファズ回路まずはブレッドボードで試作して音を出してみた
前回までのポストで、日本が誇るビンテージオクターブファズ、Guyatone WAH-FUZZ FS-5とUNIVOX Super Fuzzの回路をシミュレーションしてみました。この2台のオクターブファズはトランジスタによるフェイズスプリッター回路を用い、それを再度合算してオクターブを発生するという仕組みでした。
ブレッドボードでオクターブファズを試作
ということで、まずはUNIVOXよりもトランジスタと抵抗の数が少し少ないGuyatone FS-5のファズ回路を参考にしてブレッドボードで組んでみました。
この回路はそれぞれの回路の間を10μFのコンデンサでカップリングされていますので、電解コンデンサが目立っていますね。
ちなみに話がちょっと逸れるのですが、電解コンデンサはプラスマイナスの極性がありますのでブレッドボードで試作する時は間違えやすいのでこのボードでは無極性のオーディオコンデンサを使っています。
自作な方には定番と思いますがMUSE ESってやつで、オーディオ用でしかもグリーンメタリックカラーが目立つので、基板を飾ることができる素晴らしいコンデンサですね。お値段もそれほど高くないので、ちょっと大きくなるデメリットがありますが、重宝されているかと思います。
また、あとの記事でも説明しますが、当然トランジスタの特性も計測しながら作っています。このトランジスタについては後で記事にしたいとおもいます。
ブレッドボードで組んだオクターブファズの音出し&オシロ観察
ということで、このブレッドボードで実際のギターの信号を入力して、音を出しながら、各部をオシロスコープで計測して確認しました。
上の動画でのオシロスコープで見ているのはアウトプットの信号ですが、ほぼシミュレーション通りに出ていて安心しましたw
ということで、シミュレーションとブレッドボードでジャパニーズオクターブファズの仕組みがすこしずつ理解できるようになりました。
ジャパニーズオクターブファズってトランジスタもコンデンサも多い回路ですね
で、この回路はトランジスタが5石か6石でカップリングコンデンサも10個以上ありますのである意味複雑な回路ということもありパーツの選定も大変です。(つまりコストもかかります)
また、当然ですが音を歪ませる仕組みはToneBenderやFuzzFaceの回路とは違いますので、独自のポイントを把握する必要があるようですね。
ちなみに、海外で設計されたオクターブファズの回路ですが、 Foxx Tone Machineはもう少しシンプルで差動増幅回路は使わないで検波用ダイオードで、TYCOBRAHE OCTAVIAはライントランスとダイオードでオクターブ音を作っています。
それに対して、日本の技術者はあえて部品点数も多く複雑でコストもかかる回路を用いて真剣に臨んだのはやはり素晴らしい時代だったのですね。
次の記事では、テスト用の試作基板を作ってテストしてみたいと思います。